【インドのアニメブーム】アニメがインドを席巻する理由

おもしろインド

以前、ある知り合いのMさんから「ナルトはみた?」と聞かれました。
30代のMさん、熱狂的にナルトの話をしてから不思議そうに私に聞きました「あなたは日本人なのに、あんな素晴らしい作品をなんで見ないの?! 」……えーっと……返答に困る。ある意味これがインドでの日本アニメとの最初の接点でした。
あれから4年、娘の学年(中2)でもアニメは大流行、あれだけKPOPアイドルに夢中だった子供たちの興味はアニメへシフトし、クラスでは誰もがアニメの話で盛り上がっているようです。
そして、子供の興味には親も巻き込まれる運命なのか、私もいつしかナルトの渦の中・・・
気がつけば一ファンとして「ナルト疾風伝」を観とおしました!
いや~いい作品よね💛今ならMさんと語り合えるわ(笑)

そんなわけで、このブログではインドで盛り上がるアニメ文化についてお話します。

インドにおけるアニメファンダムの台頭

過去10年で大幅に成長したインドのアニメ文化。その人気と影響力は、特にここ数年で前例のない速度で伸びを見せ、その人気は今や衰える兆しがありません。
そんな傾向を後押ししたものは、インターネットのアクセシビリティの向上とストリーミング サービスの数の増加によるものと言えるでしょう。
オンライン ストリーミング プラットフォームの Netflix India の調査によると、インドはアニメ コンテンツの視聴者数が世界第4位にランクされており、全国で3000万人以上がアニメを視聴しているそうです。
インドで視聴できるアニメは、無料/有料合わせて600以上!Netflix のみでも200を数えるアニメが視聴できます(インドで合法で利用できるプラットフォーム / Netflix、CrunchyRoll、Prime Video、Muse Asia、Ani One Asia、AnimeLog & Tubi TV )

インドは2023年、人口世界最多の14億人を超え、そのおよそ半数が30歳未満。世界中でインド市場はたまらなく魅力的なはずです。
それが何であっても、インドで流行ってしまえば巨大な成長と拡大が約束されたようなものです。話はそれましたが、日本を代表する文化の一つ「アニメ」はインド市場で見事に成功をおさめ、このアニメ熱はますます広がりを見せています。

引用元:S9 India News/インドの熱狂的なファンに迎えられる新海誠 監督
『すずめの戸締まり』インドでの一般公開(2023年4月21日)

インドにおけるアニメ人気の理由とは

インドではアニメの人気が爆発的に高まっており、この日本アニメの独特なストーリー展開やビジュアルスタイルを知る人が増えています。しかし、なぜインドでアニメがこれほど人気になっているのでしょうか? このジャンルの何がインドの視聴者の共感を呼ぶのでしょうか?

日本のポップカルチャー

その要因の一つは、近年インドで強固な足場を築いている日本のポップカルチャーの台頭です。アニメ、マンガ、ビデオゲームなどの日本のポップカルチャーはインドの若者の間でますます人気が高まっており、多くのファンが日本のファッション、音楽、エンターテインメントを受け入れています。

世界的なメディア露出

インドでのアニメ人気に寄与するもう一つの要因は、インドの視聴者が世界のメディアに露出する機会が増えていることです。インドでは国際メディアへのアクセスがより広範囲に及ぶようになり、ファンはアニメを含む幅広いエンターテイメントの選択肢を得ることができました。

ミレニアル世代とZ世代が共鳴するストーリー

さらに、アニメのテーマとその表現力は、新しく、異なる形式のストーリーやビジュアル、メディアにオープンで積極的なインドの視聴者、特に若い世代の共感を呼びます。アニメでよく取り上げられる友情、愛、冒険のテーマは普遍的かつ異文化的なものであるため、世界中の視聴者に共感を与えることができます。

インドの「オタク」が集うアニメクラブ

 引用元:OtakuMantra.com

「アニメ」の示すアニメカルチャーとは日本のアニメに興味を持つファンのサブカルチャーを指す用語です。そして一般的に、日本の外ではアニメ好きを「ウィーブ(Weeb)」または「アニメ ナード/Anime nerd」と呼びますが、インドでは、いわゆるアニメが大好きな人を「オタク」とも呼ぶそうです。
そんなインドのオタクたちが立ち上げた アニメクラブは大きいものでインド全土に20近くあり、ちいさいクラブも多数あります。

インドのアニメ クラブは、全国各地からのファンを結びつけ、関係を築き、創造性を刺激し、日本アニメの世界に浸れる活気のある環境を提供する中心として発展してきました。ファンの間での強いコミュニティ意識はインドのアニメ文化の特徴の一つであり、アニメ クラブはこのコミュニティを構築し団結させる上で重要な役割を果たしています。
それぞれのアニメクラブは精力的にさまざまなイベントを開催し、マンガ、コスプレ イベント、ファン アート、オンライン コミュニティ、Jゲーム、J ミュージック、特撮、その他、日本文化を知るためのさまざまな交流会が行われ、ファンがアニメの魅力に浸れる活気のある環境を提供しています。

インドにおけるアニメ文化の成長には目覚ましいものがあります。そして、インドで、世界中で、ますます日本アニメへの期待も大きくなることでしょう。

アニメは、その独特のスタイルとテーマがインドの視聴者の共感を呼ぶ、ストーリーテリングおよびビジュアル媒体として独特の魅力を持っています。多くのアニメ番組や映画は、友情、愛、喪失など、あらゆる年齢層の視聴者の共感を呼ぶ複雑なテーマを扱っています。

見事なビジュアル、複雑なキャラクター開発、説得力のあるストーリーテリングを通じて、アニメは視聴者を新しい世界に連れて行き、視点に挑戦し、深い感動を与えることができます。

さらに、アニメの見事なアニメーションと細部へのこだわりは、各作品に込められた芸術性のレベルを高く評価する多くのインドのファンの心を捉えています。アニメは感情を伝え、視覚的に魅力的に物語を伝える能力があるため、インドでは人気のエンターテイメント形式となっています。

引用元:The one liner / Exploring the Anime Craze in India

インドでの人気アニメ、トップ3は「ワンピース」「ナルト」「ドラゴンボール

オタクが紹介する「アニメでよく出てくる日本語を学ぼう!」

バカ:バカという意味
先生:この用語は、専門家に対して敬意を持って呼ぶために使用される
・かわいい:キュートで愛らしい、猫でも女の子でも何でもかわいい
ありがとう:ありがとう
すごい:すごい、すごい
オハヨー:おはようございます
ごめん:ごめんなさい
こんにちわ:こんにちは
先輩:自分より経験豊富な人、あるいは学校や会社の目上の人
チビ:ちょっとかわいいもの、または小さな愛らしいもの

娘の中学校でみんなが口にするアニメの日本語集

あらあら、さようなら鬼滅の刃
だいじょうぶでしょーだって、きみ、よわいもん(呪術廻戦)
だってばよ/おれはうずまきなるとだってばよ(ナルト)
ねずこちゃーん(鬼滅の刃)
かまぼこごんぱちろう(鬼滅の刃)
おにいちゃーん(鬼滅の刃)
がんばれ がんばれ せーんぱい(東京リベンジャーズ)
おれはモンキーディールフィー(ワンピース)
わくわく(Spy × Family)
a thousand years of death/せんねんごろし(ナルト)
やめてください(複数より)
なにーっ(複数より)
あまてらすすさのー、ちどり、らせんがん、しゃりんがん、かげぶんしんのじゅつ(忍者が使う術の名前)(ナルト疾風伝)
ばかやろーこのやろー(ナルト疾風伝)
ばんかい(Bleach)
われわれはペイン(ナルト疾風伝) 
などなど……

★クラスのほとんどは、吹き替えでなくオリジナルの日本語(+英語サブタイトル)でアニメを見るのが好きだそうです。理由は、英語の吹き替えが変だから……。
それにしても、みんな日本語が聞き取れるようになっちゃうね。

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